『ワイルド・スピードX2』(原題: 2 Fast 2 Furious)

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製作費   $76,000,000
興行収入 $236,350,661

■物語
ロサンゼルスの一件によりブライアンはロス市警を追われる身となり、マイアミでストリート・レーサーとして名を馳せていた。だが、一斉取り締まりによりブライアンは敢え無くFBIに御用となってしまう。
連行先には旧知の捜査官が居り、ブライアンは犯罪歴の帳消しと引き換えに、国際的マネー・ロンダリング組織への潜入捜査の話を持ちかけられる。


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第一作の「ワイルド・スピード」から二年後の2003年に制作された「ワイルド・スピードX2」。
第一作目に主演したヴィン・ディーゼルと監督のロブ・コーエンは続投していません。
ヴィン・ディーゼルとロブ・コーエンは「ワイルド・スピード」の直後である2002年にスパイ活劇「トリプルX」を制作。全世界的に大ヒット($277,448,382)を飛ばしたためロブ・コーエンとヴィンのギャラが高騰、そして二人にオファーが殺到した。このような状況下で「ワイルド・スピード」続編に関わる折り合いがつかず辞退したというのが実態でしょう。
邦題が「ワイルド・スピード2」ではなく「ワイルド・スピードX2」である明確な理由は分かりませんが、恐らく「トリプルX」の‘X’からきているのではないでしょうか。



キャラクターの性質変更

シリーズ続投のポール・ウォーカーのパートナーには
当時、ゴールドディスクを達しラッパーとして全盛期を迎えていたタイリース・ギブソン。

ブライアン・オコナーの幼馴染 ローマン・ピアースを演じています。

その後のシリーズにおけるローマンはお喋りで間が抜けているギャグ要員といったポジションですが
初登場となる「ワイルド・スピードX2」では、はねっ返りのパワーファイタータイプです。

ローマンのキャラクターに関しては「ワイルド・スピードMEGA MAX」以降に参戦する時に
ドミニクとキャラクターが被るというデメリットがありますから、キャラクター変更は致し方なしですね。

ローマンが「ワイルド・スピードX2」のままのキャラクターだったらドミニクを助けるパワーファイターとなり
バランス的に扱い辛くなってしまいますからね。

また、ポール・ウォーカー扮するブライアンにもキャラクター変更がされています。
第一作目ではギリギリの状況下で潜入しているブライアンのシリアスを全面に押し出して
常に気難しい顔をしていましたが今作になると、もう底抜けに明るい。
作品終盤で「ヒャッハー」と叫び声をあげたりする辺りなんか象徴的です。

これは「ワイルド・スピードX2」の作品性の影響もあるのではないでしょうか。


スラップスティックコメディなワイルド・スピード

終盤のカーアクションシーンを見てもらうと分かりますが
「ワイルド・スピードX2」はスラップスティックコメディのテイストで撮られています。

まるで「ブルース・ブラザーズ」です。そんな台数の車がどこに隠れていたんだ!

ってくらい建物から車が出てきて警察車両を巻いていきます。第一作にあったシリアスとは真逆のテイストです。

このような作品のテイストもブライアンのキャラクターに影響を及ぼしたのでしょう。
潜入捜査官として、自我を押し殺して命を張っていた日々から解放されたんだから
ブライアンが弾けるのも無理はないか。

「ワイルド・スピードX2」ではスラップスティックコメディなノリのブライアンが見れて今では貴重ですよ。



その他のキャスト

ストリート・レースを取り仕切るテズ・パーカー役でリュダ・クリスがシリーズ初登場。
この頃はやり手の商売人という感じで、エンジニアとしての顔は覗かせていなかったですね。
この人もシリーズが続く事でキャラクター変更をした人物の一人です。


ストリートレーサーの一人、スーキー役でデヴォン青木が出ていました。
この頃は「シン・シティ」(2005)「DOA/デッド・オア・アライブ」(2006)「ローグアサシン」(2007)とやたら映画出演が続いていましたね。親御さんがお金持ちだと映画に出れていいですね。


潜入捜査官、モニカ・フェンテス役には売り出し中だったエヴァ・メンデス。
「ワイルド・スピードMEGA MAX」のエピローグに少し出演しています。
今後は彼女のシリーズ復帰もあり得ますね。

ちなみに、劇中仰向けに寝かされて、お腹の上にネズミをおいてバケツで閉じ込めて、
バケツをバーナーで炙るという拷問シーンがありました。
熱から逃げたいネズミがお腹に穴を空けて逃げ込むという想像するだけで嫌な拷問です。

これの元ネタはセルジオ・コルブッチのマカロニ映画「ガンマン大連合」(1970)だと思います。
「ガンマン大連合」ではトーマス・ミリアンがお腹にモグラをのせられて
太陽光を嫌がるモグラがミリアンのお腹の中に潜るという拷問でした。どちらも嫌だね。


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※ワイルド・スピードとは関係ないけど、ガンマン大連合のポスターです。

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このようにヴィン・ディーゼル不在で作られた続編ですが
作品的には不要なシークエンスが多く、画角表現も下手で全体的に安っぽい作品になっています。
第一作目よりも製作費が倍になっているのに、興行成績は一作目とトントンという結果でした。